聞こえの不安を感じたとき、多くの方が「補聴器か、集音器か?」といった二択で悩まれます。しかし本来は、どちらを使うべきか”という話ではなく、「自分の耳にどのくらいの音の増幅が必要か」で考えることが大切です。
この記事では、聴力検査の結果と、機器のスペック(音響利得・出力)をどう照らし合わせればよいか、そして、「どのくらいの音量補正が必要か」をどう考えればよいかを、できるだけシンプルに解説します。
聴力検査(オージオグラム)とは?
病院や補聴器店で行う「純音聴力検査」では、・どの高さの音(周波数)・どのくらいの大きさ(デシベル:dB)なら聞こえるかを調べて、グラフ化された「聴力図(オージオグラム)」として結果が出ます。
📊 オージオグラムの見方(基本)
横軸
周波数(Hz)→ 音の高さ(低音〜高音)
縦軸
聴力レベル(dB)→ 数値が高いほど聞こえにくい
周波数(Hz)=音の高さ
- 低音域(125〜500Hz):男性の声やエンジン音など
- 中音域(1000〜2000Hz):日常会話の中心(特に母音)
- 高音域(3000〜8000Hz):子音・小さな音・鳥のさえずりなど
▶ 高音域が聞こえにくい人は、「会話は聞こえるけど言葉がはっきりしない」と感じる傾向があります。
聴力レベル(dB)=どれくらいの音の大きさで聞こえるか
- 0〜20dB:正常聴力
- 25〜40dB:軽度難聴(会話音の聞き取りにやや困難)
- 41〜60dB:中等度難聴(小声が聞こえづらい)
- 61〜80dB:高度難聴(会話が困難)
81dB以上:重度難聴(大声や音がほとんど聞こえない)
▶ dBが大きい=より強い音でないと聞こえない=聞こえにくい状態です。
どのくらいの音の増幅が必要か?考え方の一例
聴力検査で「平均聴力レベル」がわかったら、そこから普段の会話音(30-50dB前後)との差分を計算します。
聴力レベル(両耳平均)
聞き取りに必要な利得の目安
約30dB
10〜20dB程度の増幅で十分なことも
約40〜70dB
30〜40dB程度の増幅が必要なことが多い
約70dB以上
40dB以上の増幅+高出力設計が必要
🔍 注意:実際には音の高さ(周波数)によって聞こえにくさが異なるため、 音域ごとの分析結果をもとに、どの音域にどれくらいの補正が必要かも考慮するのが理想です。
集音器・補聴器のスペックはどう見る?
項目
内容
最大音響利得(Max Gain)
どこまで音を増幅できるか。20〜40dB前後の製品が多い
最大出力音圧(OSPL90)
最大何dBまで音を出せるか。高出力すぎると不快になる
デジタル制御
音の強弱や環境音の処理ができるかどうか
周波数特性
会話音(500〜3000Hz)がしっかり補える設計かどうか
要するに、「機器のスペックと目的」に合わせて選ぶことが大切です。
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